神無月の巫女×姫神の巫女二次創作小説「召しませ、絶愛!」(十七)
****「──ていうお話なんだけど、どおかな?」にこににこと笑顔ふりまき、道行くときはかならず腕を組んでくる愛くるしい少女。おねだり目、甘い匂い、柔らかい肌。艶のありそうな唇のリップ。くるくるとよく回る指先。紅茶いろの毛先を巻き取っては離して、をくりかえす。爪には透明なマニキュア。意外にも耳にピアスは空けていないあたりが、なんとなく好ましい。いかにも都会の女子高生といった感じだった。日乃宮媛子という少女は天然ぽく、瞳を逸らさない笑顔をしてくる。明るい感じの女の子だった。目前のテーブルには、漫画のコミックスがある。ふだんスマホで電子コミックとやらを読む媛子にしては珍しい。藍黒髪の少女・皇月千華音は憮然とした面持ちでそれを手にもとらずに、視線をちらりと投げたのみだ。この斜に構えた冷徹な少女はたとえ、札束を積ま...神無月の巫女×姫神の巫女二次創作小説「召しませ、絶愛!」(十七)